オームの眼

昨今、AIの進歩が指数関数的に進んできている。

シンギュラリティなる時も間近に迫る勢いだ。

シンギュラリティという概念に然り、

その凄さは人間と比較されることによって浮き彫りにされている。

やれ、チェスに勝った。

レンブラントの新作を発表した。

等々、

あげ始めれば切りが無い。

10年後には人間が行う仕事で淘汰されるジャンルというのも様々なメディアで発表されている。

効率、人件費をコストと考えた場合、そうなるのは必然だろう。


しかしそもそも人間が

仕事を、

チェスを、

それぞれの生きる過程を通ることというのは

資本主義の効率の為だけではないのではないだろうか。


それらを通して自分とぶつかり、向き合い、乗り越えていく。


そのツールとして人それぞれの本気になれるその何かを

単なる効率の為に

それを人間が行うことが無意味なこととされていってしまうような気がする。


人類個人がよりよい人生を送る為のツールとしての経験。

今あるそれがAIにとって変わられていった時

その代わりとなる何かを個々人が見つけていってくれることを祈るばかりである。


そして、本当の意味での生に対して

人間の原初的本能はまだまだ捨てたものではないと

信頼もしているのである。