実験結果

鬱という真っ黒なタールのような沼地から抜け出る為には

そこに“生”に対しての自分なりの理由、意味を見い出さなければならない。


その、“生”に対しての意味なり理由という

光の世界から垂れ下がってきたロープに必死にしがみついて

なんとか黒いタールから足が抜け出す。


けれども

いくら“生”に対しての理由、意味を頭(理屈)で見つけたとしても

そこに

それまでの自分(自我)の死が伴っていなければ

その意味や理由は空回りするばかり。


新しい目的に、古い身体では適応出来ない。


ようやく

それまでの自我の死を経験したとしても

脱皮したばかりの新しい未知の自分がまだ固まっていない状態では

やっぱりまだ

意味や理由はカラカラ、カラカラカラ回り。


未知の自分の身体が

徐々に固まってくるにしたがって

それまで必死にしがみついていた意味や理由はボロリと崩れ

新たな意味が現れる。

そしてそれはきっと

それまで想像もしてなかったような

色や形状をしているのだろう。


その最後の実験結果は

まだ確認出来ていないのだけれど。