心の質的変容へ（２）

真っ暗な蛹（さなぎ）の中で

貴方はドロドロに溶けて一度死ぬ。

そしてその中で新たな貴方が形成されていく。


そのイニシエーションを通過するには心の層が強固でなければとても耐えられないかもしれません。


だって今までの自分が溶けていくのですから。

そしてその後どうなるかも分からない。

このまま死んでいくのか、貴方はそう思うかもしれない。

けれどもどこかで感じている。

この苦しみは死ではない、と。

このまま溶けてなくなってしまうわけではない。

けれどもだからこそ、

それが分かっているからこそ、

この苦しみの中、死ねないことへの絶望の波が再び貴方を飲み込んでいく。

狂気と理性の狭間で貴方はなんとか境界を保持しようとする。

けれども高波は容赦なく押し寄せ、

全ての境界がなくなっていく。

溶けこんでいく。


このままでは発狂してしまう、一人ではとても耐えられない。

貴方の本能が、生命力がそう貴方に訴えかける。

そうしたら

貴方がむき身の自分をさらしても大丈夫だと心から安心できる人、安心できる空間、

貴方に元気を求めずにその変容を静かに見守っていてくれる

そんなやさしく力強い存在、場の力に包みこんで守ってもらいましょう。

そしてカウンセラーという存在はまさにカウンセリングルームという安全な子宮のような場と共に貴方を見守る存在なのだという事も、どうぞ忘れないで下さい。


心の質的変容は暗い苦しみの中で少しづつ、行われていくのです。