理想と現実

貴方が認識している“今の自分”。

貴方が追い求める“理想の自分”。

貴方は両者を比較して

“今の自分”を責め、殴り、強く壁に叩きつける。

「おまえはどうしてこうなんだ」

「どうしてもっと出来ないんだ」

“今の自分”は反論もせず、されるがまま地面に何度も打ち付けられ

罵り、蹴りつけ、殴る貴方のこぶしも今やすっかり腫れあがり

辺りは罵声と血で染まっていく。

擦り切れたこぶしに激しい息切れ、

自分すらも動けなくなったその時

貴方はドサッと座り込み、

口元に微かな苦笑いを浮かべつつ一つ大きく息を吐き、諦める。

そうなって初めて向き合える。

殴りつけられ息絶え絶えな“今の自分”と。

そして

「おまえは本当にダメな奴だな」

と、ありのままの“今の自分”を認めてあげることが出来るのだ。


ありのままの自分を認める事。

それは貴方を貫く太く丈夫な芯となる。



理想というものは

この世には存在しないからこそ“理想”なのです。